写真分析➁
- 11.栗林公園(2019.9)
- 12.神宮外苑いちょう並木(2018.11)
- 13.厳島神社(2019.3)
- 14.淡路島(2021.3)
- 15.直島(2022.8)
- 16.太宰府天満宮(2020.3)
- 17.東尋坊(2020.12)
- 18.小樽運河(2018.8)
- 19.名古屋スカイプロムナード(2020.10)
- 20.小金井市(2019.12)
11.栗林公園(2019.9)
曲線性、色の独立性
撮影から1年程度が経過し、ついに価値を見出すことが出来た写真だ。このように、ある時突然、魅力的になる写真がある。自分の感覚が写真を撮って眺める度に少しずつ変化している証拠だ。
この写真を撮った当時は、錦鯉の色の独立性がどうとか、うねった曲線性が活きてるなあとか、そんなことは微塵も考えていなかった。それはつまり、この写真の美しさを説明する術がなく「写真を美しいと思うこと」ができる段階になかったということだ。偶然撮れた写真が突然美しく見える現象は、自分が美しいと思う要素が定まってきていることの顕在化なのだ。
シャドウを始め全体としてはグリーン強めに調整しているが、そのお陰で補色関係にあるレッドとグリーンが共存し、錦鯉の朱色が独立性をもって散らばっている。赤い被写体を際立たせたい時は、補色である緑をベースにすると効果的だ。
鯉の身体のしなやかさは他のどの生物よりも美しいだろう。良い写真とは、被写体の魅力を最大限に引き出している写真のことだと考えている。鯉がもつ一種独特の生態・特徴を捉えられている。グッド。
12.神宮外苑いちょう並木(2018.11)
視点、直線性、余白の美、二色作用、ブルーのアクア化
僕が写真の沼から抜け出せなくなったのは2018年8月頃のことだ。そして2018年に撮影して今でも素晴らしいクオリティだと思う写真は現時点で2枚しかない。そのうちの1枚がこの銀杏の写真である。
僕には確固たる写真のスタイルがない。それでも「君の写真は君のものだと分かる」と言ってくれる友人がいたりする。「自分らしさ」の一つに、レンズを向けるときの視点があるのかもしれない。
写真は銀杏の先端をとらえたものだ。ご存知の通り、神宮外苑のいちょうの木は背が高い。大きな被写体や構造物を撮影するとき、端の端を切り取るという視点。この視点をもって撮影することが、一連の流れの中に組み込まれている。最低限の要素しか残さないミニマル写真にほど近い、すっきりした画面構成が好きなのだ。
真っすぐに空へと伸びる銀杏の幹の植物らしさ。縦長写真と縦に伸びる直線は悠々としたイメージを与えてくれる。インパクトのある写真。
視点は大胆だが、すっきりとした印象を与えるのは色彩も影響しているのだろう。イエローとアクアの二色で構成。色相環において両者は近すぎず遠すぎずの距離感に位置しており、目に優しいコントラストを生み出す。構図(視点)と色彩という写真の二大要素から真逆のアプローチをし、「大胆かつ穏やか」な異色の一枚に仕上がった。
13.厳島神社(2019.3)
日の丸構図、色の独立性
厳島神社の大鳥居のように桁違いの存在感を放つ被写体を撮影するときは、余計なことは考えず、日の丸構図で撮ったらいい。
写真は大鳥居が若干下方に寄っているが、水平方向の中心に位置していればそれは日の丸構図と呼んでいいと考えている。横に長いアスペクト比の場合は水平位置でどの座標に在るかの方が遥かに重要だからである。縦写真では垂直位置が重要性をもつことになる。
【3.諏訪】でも書いたが、日の丸構図は鑑賞者に静謐で安定したイメージを抱かせる。日本神話の権化である厳島神社の大鳥居が軽く感じられないのは、日の丸構図の特性が働いているからである。
言うに及ばないが、大鳥居の橙色が独立的であることで、より一層目を引いている。
14.淡路島(2021.3)
直線性、多湿感
淡路島で泊まった民宿の部屋で、朝起きてすぐに撮ったものだ。タオルが窓辺に干されているが、何故僕はこの風景を撮ろうと考えたのか。
写真という平面的なモノを構造的に説明するならば、枠のなかに「図形」を並べて「色」を乗せた成果物である。この写真に潜む図形は四角形と直線。タオル、窓枠はもちろん、手形でボケたベッドの裾の直線部分があることで写真の各要素の一体感が生み出されている。そもそも四角形自体が直線の集合体であり、まとまりがあって心地いい。
一方で直線性をもった写真は規律的で尖りのある写真になり刺激が強くなりやすい傾向にある。それを感じないのは多湿感のある色調に調整されているためだ。
ハイライトにブルーを乗せ、雨天のじめっとした雰囲気を強める。壁部分を暗くするがトーンカーブで持ち上げて、軟らかくスムーズなブラックに調整。被写体がタオルやベッドといった布製のソフトな素材であることも、多湿感を表現するには最適だった。
腕のある写真家は、撮影時に編集想定をするという。僕にはそんな器用なことはできないが、撮影では視点と構図に全力を注ぎ、編集で色調を整える。2種類の作業には、異質の楽しさがある。僕は“一度で二度おいしい”この過程が好きでたまらない。
15.直島(2022.8)
視点、額縁構図、直線性、色の独立性、ブルーのアクア化
この構図を額縁構図に分類していいものか、物凄く悩んだ。本来額縁構図とはメインとなる被写体に視線を誘導させ際立たせることを最大の目的として用いられるパターンが多いのだが、この写真においては、一概にそうとも言えないのである。
手前の桟橋に架かる屋根と柱を写し込み、奥に客船が覗く。ここで着目すべきは、被写体が「額縁」の範囲外にも存在している点だ。船体の後方が額縁の左端から大きくはみ出している。額縁を突き破っている、という表現もできる。敢えて額縁を設定し被写体の一部を逸脱させることで、額縁がない場合に比べて客船の伸び感がより際立つ。さらに、額縁である桟橋屋根が右下がりの斜線であること、客船の進行方向が右向きであることから、右側への吸引力を持った写真に仕上がっている。鑑賞者の視線が無理なく誘導され、さらに額縁・額縁逸脱の効果で被写体が際立ったニッチな写真。ただ単に「額縁構図」を取り入れた写真ではないため「視点」を追加した。ナイスな視点に違いない。
被写体を際立たせるという点で、船体模様の赤が独立性をもって点在しているのが良い。最も大きな赤いダイヤモンドが額縁のど真ん中に位置しているが、撮影した時に意識していたのか。バランスが取れていて、気持ちいい。
16.太宰府天満宮(2020.3)
視点、セルフィ―、リフレクション、不完全性の美
太宰府天満宮のトイレで撮影した、友人2人とのセルフィ―。大きな鏡があると、ついつい友人を集めて写真を撮ってしまう。いつもカメラを構えてばかりで自分の姿が写らないことに寂しい思いをしている男の、精一杯の悪あがきである。
見れば見るほど面白い一枚。3人で撮ったセルフィ―に5人写っている違和感から沸き立つこの写真だけが秘めている魅力。角度をつけて設置された鏡の特性がそうさせた。
友人達の目線が一定にならず散らばっている。鑑賞者の視線を誘導させづらいのかもしれない。しかしその雑多な雰囲気が、粒子感やピントの甘さからくる「不完全性の美」とマッチしている。
17.東尋坊(2020.12)
人物と風景、余白の美
写真における「余白」は、撮影者が撮影段階で意図して空けた空間のことを指す。余白の作り方がクオリティにもたらす影響力は甚大だ。
写真は輝石安山岩の柱状節理で切り立った断崖・東尋坊で撮ったもの。メインの被写体となる人々を写真の最下部に設置し、奥に広がる日本海を余白として利用している。ここまで思い切った余白の使い方はあまりしないが、開放感をもった写真となった。若干横に長いアスペクト比に設定してあるのは、のびのびとしたイメージをもたせるためだ。
しかしのびのびとしているだけでは東尋坊特有の危険性・不気味さが表現できない。構図で漏れてしまった部分は、露光量や色調で補うのである。ブルーのアクア化を選択せず、日本海を力強く見せることができている。
かなりの広角で撮影されている。人々が小さく連なっており、細かな律動を感じられる。このくらい引きの画も好きだ。写真家・濱田英明氏のエッフェル塔から撮影された写真がずっと心に残っている。
18.小樽運河(2018.8)
人物と風景、平面フレーミング、日常性
大好きで大好きでたまらない写真である。【12.神宮外苑いちょう並木】で言及した、2018年の傑作の一枚である。写真において大切にしている要素のなかでも最重要と言える「人物と風景」・「日常性」を満たしている。ああ本当に好きだなあこの写真。
小樽運河の倉庫沿いで昼間からお酒を楽しんでいる人々には、魂が宿っている。立っている人、座っている人、笑っている人、話している人。それぞれの人物が別の行為をしていても、その魂はすべて爽やかかつ温かみに溢れ、渾然一体となっている。それが【9.母子島遊水地】で説明した日常性として感じられるのである。その観点においてこの写真を超える写真は、僕の手持ちにはほとんど存在しない。初期の傑作。
「人物と風景」が「日常性」をはらんだとき、最高の一枚が出来上がる。これがなかなかできない。人物と風景を対象に撮影しても、わずかでも作為的な意図が潜んでいたり、こちらに意識が向いていたりすると特別な一枚にはならない。ありのまま、それもラフで脱力感のある人々。これが最高。
深く考えずとにかく真正面から風景を捉える「平面フレーミング」という構図も、作為性なく小樽運河のありのままを写している印象に繋がっている。日常性の演出に一役買っているわけだ。ああ本当にダイスキ。
19.名古屋スカイプロムナード(2020.10)
視点、日の丸構図、リフレクション、不完全性の美
窓に反射した照明を写した、主張の柔らかい一枚。この頃は、現在につながる軸となる写真のレタッチスタイルが徐々に確立されてきていた時期だ。日没直後のマジックアワー特有の淡く儚い空気感は、様々な要因が掛け合わさって生まれている。
3粒のハイライトを小さく中心に置いた日の丸構図は静謐で安定した印象を与え、秋の夕方の少し冷えた寂し気な風情を強化している。
粒子を全面的に乗せることでノスタルジーを演出。フィルムカメラ特有の粒子感は「グレイン」と称され、現像過程で出現するフィルムの醍醐味である。ちなみにデジタルで無理やり高感度ISOに設定した時に出る粒子はピクセル状の単なるノイズであり、円形のグレインとは全くの別物で欠陥である。写真が点の集合体である以上、グレインとノイズは月とすっぽんだ。
この写真のように「何かに映ったものを写す手法」がリフレクションだ。昔は水溜りを低いところから捉えて夜景の反射を撮ったりもしたが、最近のブームは窓やガラスのリフレクション。多くの場合、粒子感やブレ感を含めた不完全性の美との相性が良い。別の物質を経由した光を捉えるというリフレクション自体が「不完全性」を潜めた手法であるためだと考えている。
20.小金井市(2019.12)
視点、額縁構図、日の丸構図、直線性、ブルーのアクア化
これは大好きな写真。一時期はPCのデスクトップ背景にしていたほど、気に入っている。その理由を挙げたらきりがない。
額縁構図と日の丸構図が共存している面白い写真だ。フェンスを構成する菱形の格子が「額縁」としての役割を果たしつつ、そのうちの一つが写真の中心に位置し「日の丸」を成している。視線の中央への誘引効果が凄まじい。
直線性に関しては言うまでもないだろう。フェンスとネットの各直線が約45°の角度で交差していることで規律性がもたらされ、見心地良い写真へと仕上がった。
フェンスとネット越しに眺めた学校の校庭。どの町にでもあるような風景だ。どこにでも広がる風景を独自の感性で切り取ることができたとき、興奮する。視点が活きた写真である。
分析をしていくなかで、自分がどのような写真が好きかが徐々に分かってきた。継続は力なり。絶えず分析を続けて、自分のフォトスタイルを模索、開拓していく。
写真分析➀
Instagram(@kemono_ph)で投稿した過去の写真を徹底分析。自分自身の好きな構図や色調をはっきりさせて、写真に何を求めているかを知りたくなり、初めてみました。頑張る。
- 1.トキの森公園(2022.8)
- 2.笠間(2022.5)
- 3.諏訪(2020.8)
- 4.桜島フェリー(2020.3)
- 5.ちょーちょむすび(2022.11)
- 6.KITTE(2019.8)
- 7.新宿駅(2021.11)
- 8.農舞台(2020.11)
- 9.母子島遊水地(2021.5)
- 10.豊島(2022.8)
1.トキの森公園(2022.8)
額縁構図、曲線性、不完全性の美
構図は丸い額縁構図。構図を決めるということは、鑑賞者の視線をどのように誘導させるかを決めるということ。強烈な吸引力をもって被写体に視線をひきつけることこそが、額縁構図最大の特徴であり有効な表現方法である。写真は中心から左にずれた位置に被写体があるが、敢えて矯正しなかったことで不完全性の美が生きている。
ヒトの視線は、暗いところから明るいところへと誘導される傾向にある。つまりシャドウで囲った額縁構図は効果が大きい。僕は額縁構図が好きだが、そのほとんどが黒で囲ったものだ。
この写真の魅力は構図に留まらない。先述した通り、不完全性に満ちた一枚になっている。被写体の中心位置からのズレ、ブレによるピントの甘さ、適度な粒子感。これらがくどくなく、少しずつ心地よい量感で混合することで、この写真ならではの面白さが生まれている。
不完全性が生きている写真はこれから先でもたくさん見られる。フィルムカメラはその不完全性を既に備えているためそれにすればいいのかもしれない。が、デジタルだからこそ工夫を凝らして不完全性を演出する楽しさを感じられる。それが好きなのだ。
2.笠間(2022.5)
白飛ばし、不完全性の美
「白飛び」「黒潰れ」は写真を撮る者としてできるだけ避けなければならないものだとされている。それぞれカメラ内蔵センサーが許容できる光量の上限値・下限値を超えた光量を感受した・感受できなかったとき、真っ白・真っ黒になる現象を意味している。
僕は白飛びを表現技法の一つとして使用することが多い。なので能動的な意味を持たせて白飛ばし、と呼ぶことにしている。
明暗のコントラストを際立たせたい時、白飛ばしを使う。写真は、光を浴びた初夏の植物の密集感を表現しているが、仮に白飛ばしを適用しなかった場合、全体的にのっぺりとした特徴のない印象になるだろう。白飛ばしを取り入れることで写真の明暗に張りが出る。見ていて爽快感のある雰囲気に仕上がると考えている。
また、特に深く考えずに撮影されたような構図や適度な粒子感をもって不完全性の美が潜在していることは言うまでもない。フィルムライクな印象に仕上げた。
3.諏訪(2020.8)
日の丸構図、立体感、ブルーのアクア化、不完全性の美、16:9
日の丸構図ほど万能であり最強の構図は存在しないだろう。構図は何が好きかと問われれば、迷うことなく日の丸構図と回答する。
「鑑賞者の視線誘導を促しにくく、動きやダイナミズムを感じづらい日の丸構図。しかしそれは裏を返せば静謐で安定したイメージの表現に向いているということだ」と、フォトグラファーの嵐田大志氏は述べている。僕もそう思う。日の丸構図は主題が明確であり「まずは中心を見ればいいんだな」という安心感を鑑賞者に与えてくれる。左右の空間幅が同等であることでバランスがとれ、音の少ない静かな写真に仕上がる。
写真は夏の大きな雲をとらえたものだが、夏雲特有の立体感を表現するため、明暗のコントラストを強めた。僕がよくやる手法だ。
色調はブルーをアクア化している。空を表現するときによく使う手法だ。これについてはまた後程詳述することにしよう。今回はアクア化に伴い輝度も下げることで雲の明度の高い白を際立たせることに成功。
最後に、不完全性の美。今回もまた粒子を乗せることで日本の夏のノスタルジーを演出。
また、通常のアスペクト比3:2ではなく横に長い16:9でトリミングしたのも、映画に似た比率でドラマチックに仕上げるためである。
4.桜島フェリー(2020.3)
人物と風景、額縁構図、色調の統一感
自然風景、街角スナップ、人物ポートレート。目に映るものすべてが表現の対象であるがゆえに写真のジャンルは多岐にわたるが、僕が一番好んでいるのは「人物と風景」である。
写真は桜島へ向かうフェリーで、遠方を眺める男性を写したものだ。この写真のメインとなる被写体は男性。しかしその向こう側にある風景もまた存在感を発揮している。望遠(130mm)で撮影しているため写真面積における男性の割合が大きいが、男性の視線の先に広がる海風景が、穏やかな空気感に包まれた写真を作り出す。
僕が「人物と風景」の写真を撮るときに好きな焦点距離は20mm程度のやや広角気味。このくらいだと、人物と風景の影響力や存在感がちょうど1:1になる。どちらが欠けても物足りない一枚になる。
額縁構図。左側と下側の船体で男性と風景を囲んでいる。視線の誘導を自然に促す効果を発揮している。
また、この写真の印象として色調が統一されており見心地がいいことが挙げられるだろう。シャドウにグリーンを乗せ、ハイライトに若干のイエローを乗せた。曇天時の写真ほど編集技術が重要なファクタになるが、一つの最適解を発見したのはこの頃が初めてだ。
5.ちょーちょむすび(2022.11)
足し算
仙台に住む友人達のもとへ。大学時代に何度も訪れた仙台だが、友人がいなくなれば訪れる理由も無くなる。ひょっとしたら最後の仙台旅行になるかもしれない、そんな日だった。
ちょーちょむすびという居酒屋で日本酒を注いでもらっている様子を撮影したものだ。店員さんが、撮りますか?と気さくに提案してくださった。温かい言葉を浴びて、料理もお酒もいっそう美味しい。
居酒屋や飲食店でのテーブルフォトも最近は楽しくなってきた。30mmの単焦点でボケを演出。酔っぱらったときの焦点の合わなさとF1.4がマッチしているのか、その場の空気が蘇る。温かい写真になる。
分析するのも野暮なくらい、良い写真。敢えて分析するとすれば、写真は引き算と言われるなかで居酒屋のごちゃつき感を足し算で表現した。オーソドックスから外れた手法も、使い方次第ではプラスに働く。
6.KITTE(2019.8)
平面フレーミング
平面フレーミングは、今や僕が建築写真を撮影するときに必ずといっていいほど用いるフレーミング手法である。建築物に対して真正面に立ち、余計なことは考えず垂直・水平方向に偏りがないように撮影する。大きな建築物を撮影する際は垂直方向に傾くため、補正が必要になる。四角の隅まで無駄がなく広がるフレーミングであるため、インパクトを求めるなら平面的に(かつ大胆に)切り取ると効果的だと感じた。
7.新宿駅(2021.11)
色の独立性
JR新宿駅を高所からとらえた写真。シンプルでクールな印象を抱くが、その要因は色の独立性にあると考える。
空のブルー、駅名サインのグリーン、広告看板のレッド、道路のブラック。それぞれの色相が偏ることなく独立し、その色として堂々と生きていることが、この写真の「強さ」の根源だ。さらに明暗のコントラストを強く設定することで、他の写真を寄せ付けないインパクトを残す。
写真に爽快感を求めてブルーのアクア化を安易に選択するのではなく、風格ある写真を求めて原色を強める勇気も重要だ。
ちなみにNikon Zfcを携えてほぼ初めて出かけたときの写真。設定方法をよく理解しておらずホワイトバランスが低いまま撮影していたため、道路部分を含め全体が暗めに仕上がった。ミスから生まれる名作もあるのだ。コカ・コーラ然り、ペニシリン然り。
8.農舞台(2020.11)
額縁構図、直線性、曲線性、二色作用、セルフィ―、余白の美、不完全性の美、1:1
シンプルでありながら多くの効果・作用が詰め込まれた一枚。場所は新潟県十日町の農舞台の男子トイレ。
ジャンルとしては正円の鏡に映した「セルフィ―」の一種で、構図は額縁構図に分類されるだろうか。1:1の正四角形のなかにころんと転がった丸が小さく収まっているのが可愛らしい。
この写真の傑出している点は2つ。第一に直線性と曲線性が同時に発揮されていること、第二に二色作用による視覚効果が目覚ましいことだ。
1:1のアスペクト比はInstagramの普及とともにメジャー化した。その最大の魅力は直線の密集にある。縦横の枠線が最接近した図形が正四角形すなわち1:1であるため、このアスペクト比にするだけで高度な直線性を演出できる。さらに正円が組み合わさることで幾何学的リズムが生み出され、一目見てワクワクする写真へと進化した。
色調はオレンジとブラックの二色にのみ依存している。モノクロームの一つ上の次元であり、ある意味ミニマリズムに則っている。「写真は引き算」の原則に従えば究極の色彩はモノクロームになるはずだが、僕にとっては二色くらいが丁度いい。視覚的に面白く、ぱっと見の印象を強化するには、二色作用を取り入れることは効果的。
9.母子島遊水地(2021.5)
日常性、余白の美、1:1
この写真のどの部分が好きかをじっくりと考えたとき、今までの写真には無い「日常性」が全面的に見て取れることが挙げられる。
ここで言う日常性とは「写った人々の感情や意思が生活の一部を通して感じられること」である。決して町の様子をただ単に写したものすべてに表れているわけではない。例えば【6.KITTE】【7.新宿駅】も誰かにとっての日常を写していることに変わりないが、行き交う人々には感情や意思が宿っていない。対してこの写真では、野球を楽しむ人々の感情や意思、人間らしさが確かに存在しているのだ。僕はそんな写真を魅力的だと思う。
アスペクト比1:1の効果により可愛らしい。明度の高いグリーンとレッドも可愛らしさに拍車をかけているようだ。さらに写真上半分を余白として用いることで開放感をもち、鑑賞者にのびのびとした印象を抱かせる。これらの要素がすべて「日常性」を演出するのにうまく掛け合わさっている。
僕にはなかなか撮れない、可愛い写真。
10.豊島(2022.8)
額縁構図、ブルーのアクア化
この写真は夏の豊島に生い茂る木々の中を、自転車に乗って走っていたときに突然現れた、穏やかな瀬戸内海が見える高台から撮ったものだ。この写真単体でも額縁構図やブルーのアクア化の効果で魅力的に捉えられるが、撮影者である僕にとっては視界が開けた瞬間のいわば「思い出補正」がかかっているために大切な一枚となっている。
写真とは「見た人がどう感じるか」が大事。だから上記のような思い出補正など写真分析の名目で語るのはナンセンス。分かる。
分かるが、撮影者である僕も、紛れもなく写真を見る人なのである。もっと言えば、僕の写真の最大の理解者は僕である。自己満足と言われればその通りだと堂々と答えよう。「この写真がなぜ美しいのか」を説明するには、僕の当時の内情を介入させずにはいられない。
古今和歌集をはじめとする和歌集においては、和歌が詠まれた背景を「詞書」として記している。背景を開示することで作品を少しでも味わい深く鑑賞してもらおうとしたのだ。写真と和歌のもつ表現的な特性は全く異なるが、作品の制作者の想いや心情が強く写っている写真には惹かれる。
しかしまあ主観ばかりでは面白くないし傲慢を極めた悲惨な末路に続いていきそうなので、できるだけ客観的な分析をしていこう。色々書いてみることが大切。
自宅、熟成。
自宅が好きです。広くて綺麗で、こよなく愛する家具達と一緒に住んでいます。リビングをつまみに酒が飲めるくらい愛しています。
写真はこのあいだ届いたマガジンラック前のラグのうえから眺めた景色。家で一番好きな景色です。二段重ねのオレンジのカゴに入っているのは職場の先輩から借りている大量のONE PIECE。早く返さなければならないのに、なかなか読む気になれない…!
これは引っ越したての今年三月に撮った写真。大体同じ視点から撮っています。本棚を組み立て終わり、持っていた本を収納し終えたときです。一枚目の写真と見比べると「だいぶ成長したなあ、本棚」と思います。本が増えると、本棚が美しくなる。本棚が桜の木なら、本は桜の花のようなものです。満開までもう少しです。そして、桜の木は増やしていくつもりです。
今や八分咲きの本棚。自分が買ったものだけではないこと、所謂「積読本」があること、学生時代に読んでいたものが含まれていることを踏まえても、本の増加速度がすさまじい。今年は本当によく読む年です。
マガジンラックに雑誌を並べてみたときの写真です。服がオワっているのが残念。そのとき持っていた雑誌で雰囲気のあるものを選んだだけだから、なんかいまいちパッとしません。雑誌は表紙が命です。
スタンドをくいっと上げれば本の収納もできるので、冊数が増えたら本棚としても利用していくつもりです。ラックの上に物が置けるようになっています。
取り急ぎ、置いてみました。なんだか寂しい写真です。このまま雑貨を増やして置いてもいいし、ブックスタンドを買って本を並べてもいいなあと思います。悩むけど、どっちでもいいんだよな多分。
本棚は六段。上五段に詰まっている状態。
並べ方にはほんの少しだけこだわりがあります。「代官山蔦屋書店」をご存知でしょうか、あそこは膨大な本を「ジャンル」で仕切って並べています。文庫でも、単行本でも、雑誌でも、出版社や著者は全く関係なく、例えば「宇宙」とジャンルを決めたらそれに関する書籍をその空間に密集させるのです。自宅の本棚でそれをすると、自分の興味が見える化されて眺めているだけで楽しめる、それがいい!
一段目は小説。左側は僕が好きなミステリー多め、真ん中はほとんど彼女の本で僕は手をつけていないものが多い。クマの右側は二段目に入らなかった自然科学の書籍達。
二段目は自然科学、つまり数学・化学・物理学・地球科学・天文学・生物学を中心とした科学全般に関する書籍達。「進化とは何か」「死なないやつら」「美しい生物学講義」「宇宙創成」「ビールの科学」「感じる科学」が特に好きです。左後ろにあるのがマサチューセッツ工科大学のThINKファイル。粋だよなあ元素記号で英単語を作るという発想が。これは貰い物で、今は非売品だそうです!
三段目は歴史・哲学・言語・芸術。数えたら、自分が買った本は五冊しかなく、あとは全部彼女のでした。ちなみに二段目はほとんど僕の本。
四段目は仕事・社会科学・雑誌。職業がバレる段。雑誌はマガジンラックに仕舞わなければ。
五段目。左から、地理・芸能・建築・旅行・写真、つまりは僕の趣味むき出しの段です。「芸人人語/太田光」は傑作で、この本棚にあるすべての本で一番好きです。読めば分かる、テレビで見ている太田光とは別人でびっくりします。親友のくりぃむ上田と隣同士にしてあげました。「太田上田」を見るためだけにhulu契約したくらい、二人の会話、関係性が好きです。
右側にある何やら白くて長く連なった本は何かというと…
今までの旅行の自作フォトブックです。ひっそりと続けている、ちょっとしたライフワーク。今も二冊(青森・岩手編、このあいだの新潟編)を製作中。滞ってるけど。
ただ単に写真をまとめただけのものもあります。
今年の五月にフォトアルバムを作りました。2018年3月から2022年5月まで、約4年間分の選りすぐり写真480枚を、2冊のアルバムに収めてみたのです。最初は赤いアルバムだけで完結させようとしていたので、赤いアルバムの方がクオリティ高くなっちゃいましたね。
写真とはまた違いますが、出かけた先で買ったポストカードを保管しているアルバムがあります。ごちゃごちゃしているデスクにぽんと置いてある。椅子に座るとちょうど目線の先にあります。
豊島美術館のお気に入りポストカードはカメラの背後に貼っつけました。ちなみにアルバムも本棚ではなくデスクに飾ってあります。
気まぐれに変えながら、色んなところに飾るのがいいなと思います。ずっとしまっておくのも可哀想です。ちなみに右手前に写っているのは、成田空港直帰事件の後、友人がスペインのお土産に買ってきてくれたサグラダファミリアのコースター。大切に使っています(泣)
今回はこのくらいにしておきます。もっともっとひけらかしたいんですが、まとまりなくなっちゃうので。
また本が増えたり家具が増えたりしたときに記事を書こうと思います。次に欲しい家具はといえば、テレビデッキです。僕はテレビが大好きなので。
次回は仕事についてでも書こうかな!
Best Selection 25 【日本の絶景】
僕の大学生活を語ろうとしたとき、旅行が大きな話の軸になると思います。それくらい旅行が好きで、長期休みになるとカメラを持って日本各地を旅してきました。
そんな僕もそろそろ卒業。ということで、今まで見てきたたくさんの絶景のなかから、特に心にグッときた上位25箇所を紹介します。
今回は文章なしで、各地3枚ずつ写真を貼ったのみです。一緒に旅行に行ったみんなに楽しんでもらえると嬉しいです。それではどうぞ。
24位 青島(宮崎県)
23位 桜島(鹿児島県)
21位 宮地嶽神社(福岡県)
20位 高屋神社(香川県)
19位 祖谷のかずら橋(徳島県)
18位 サンメッセ日南(宮崎県)
16位 奈良井宿(長野県)
15位 佐多岬(鹿児島県)
14位 金城山 雲洞庵(新潟県)
13位 富良野(北海道)
11位 越前大仏(福井県)
7位 父母ヶ浜(香川県)
6位 上高地(長野県)
5位 高千穂峡(宮崎県)
こう振り返ってみると、九州・四国は絶景の宝庫だといえますね、僕にとっては。一位のしまなみ海道、それはそれは美しい景色がひたすらに流れていました。みなさんもぜひ、夏の夕暮れにサイクリングしてみてくださいね。
それでは。
みやたの旅の備忘録【北陸編】
こんにちは。みやたです。
昨年末、北陸3県(石川県、富山県、福井県)へ3泊4日の旅に出てきました。北陸3県に対しては「地味」で「パッとしない」イメージがありましたが、いざ訪れてみるとその大きな魅力に驚かされました。北陸に出かけるときには参考にしてみてください。
それではさっそく参りましょ~~!
Day1
AM 9:30 新高岡駅
富山県新高岡駅までの2時間半の間、みやたは霜降り明星のANN0を聴いていた。隣に座る友人はニジマスの配信をみていた。良い時間だった。写真なし。
AM 10:00 高岡大仏
旅の初めに向かったのは高岡大仏。
高岡大仏は高さ16 mの青銅製で、実は「奈良の大仏」「鎌倉大仏」に次ぐ日本三大仏である。残念ながら、我らが牛久大仏ではない。
大仏のなかでは日本一の美男らしい。確かに端正な顔をしている。背筋もピン。
大仏の台座は回廊仕様になっており線香を供えることもできる。
怒った阿形と
堪える吽形。ムキムキで頼もしい。
ありふれた街並みのなかに突然現れる高岡大仏にぜひ一度訪れてみてください。
AM 11:00 麺家いろは CiC店
富山県のご当地グルメといえば「富山ブラック」。醤油ベースの真っ黒なスープが特徴だ。
東京ラーメンショーでの実績も高い麺家いろはに訪れた。
みやたが大好きな太麺。具も選りすぐりのお気に入りメンバー。風味がしょっぱいと聞いていたため白飯も注文しており、スープと合わせてかきこんだ。総じて、最高に美味かった。
富山ブラックを目当てにするなら、麺家いろはを選べば間違いない!
PM 1:30 飛騨白川PA
白川郷へ向かう道すがら、トイレ休憩に訪れたのが飛騨白川PA。白川郷は目と鼻の先だ。
旅の連れ 兼 動画クリエイター。
飛び込みたい。
スタッドレスタイヤが大活躍。
白川郷に訪れる前に立ち寄ると良い。圧巻の雪景色だった。
ちなみに白川郷自体は岐阜県に所在しているが、富山からほど近くアクセスがいいため、富山観光と合わせて訪れるのが良いだろう。
PM 2:00 荻町城跡展望台
世界遺産・白川郷の街並みを眺めに、戦国時代に城があった高台へやってきた。
阿蘇やしまなみ海道に引けを取らない超絶景。ここからの眺めは絶対に忘れない。
クローズアップ・白川郷。墨絵の世界。
雨より雪が好き。
寒い中、この景色を観に大勢の人がやってくる。白川郷を一望したいのなら荻町城跡展望台に訪れるべし。
PM 2:30 白川郷の町並み
上から眺めたあとには実際に白川郷まで降り、ふらふらと散歩する。
白川郷の町へは長い吊橋を渡って向かう。ここがつるつる滑るため少し危ない。
枝もかなり寒そう。
中心地はまさに「日本の故郷」。今もなお生活が営まれている。
雪かきお疲れさまです。人の暮らし。
白川郷で撮ったなかでも特に好きな写真。茅葺き屋根の急傾斜が活かされています。
ちみ、さむくないんか、ズルル。
傘を差すかどうかで迷うのが、雪。歩いているだけで本当に楽しかったです。
PM 3:00 長瀬家
実際に合掌造りの家屋に入ってみる。
暖簾。「飛騨」と書いてある。
ストーブで暖をとって、
囲炉裏でも暖をとる。あったか〜い。
3・4階には昔からの生活用具が展示されていた。今の暮らしからは想像ができないくらい厳しい生活だったに違いない。ただこの展示を見ていると、単に時代が移り変わっただけであって生活を楽しむ心はずっと前からあったんだなあと思いました。
PM 3:30 お土産屋いろり
おやつの時間。
雰囲気のあるお店。紹介が遅れました、旅の連れ3人です。四国旅行もこのメンバー。
お団子と五平餅。味付けはあっさり。
みやたはお団子を。心温まりました。
PM 4:00 ゲストハウス AntHut
今回宿泊するゲストハウスへ。白川郷の中心地から車で10分もかからない。
こじんまりとした雰囲気。
ゲストハウス前の道路。ここで生活している人々がいるという事実。
オーナーさんがそりを貸してくれたので滑って遊んだ。さらに陽が暮れるまで2 vs 2の雪合戦大会。相手チームがそりを盾にしていてずるかった。めちゃくちゃ楽しかった。
PM 6:00 白川郷の湯
運動(?)のあとは温泉だ。
白川郷の湯。シンプルな名前。
世界遺産地内では唯一の天然温泉だという。昼の露天風呂からは白川連峰や合掌集落を眺めることができるらしい。値段は張るが浸かる価値あり!
PM 8:00 飛騨牛食べ処 てんから
ゲストハウスのオーナーさんが教えてくれたお店で風呂上がりの夕飯を食べる。
飛騨牛のひつまぶし御膳。初日から贅沢な夜になった。みやたは薬味を足した所謂'''2段階目'''のひつまぶしがお気に入りである。
このあとゲストハウスに戻り就寝。
Day2
AM 10:30 食事処 夕なぎ荘
二日目は福井県に向かう。特別名勝として名高い東尋坊への道中にある「食事処 夕なぎ荘」に立ち寄る。
北陸といえば海鮮だよね。
ホタテとイカ焼き。アツアツでジューシーで美味しかった。この席で友人の一人がお茶を派手にこぼす事件が発生。たくさん笑った。
AM 11:00 東尋坊
日本随一の奇勝として知られる東尋坊。
国定公園。
この人々の視線の先にある断崖絶壁の柱状節理こそが東尋坊最大の魅力である。
迫力満点。自然の暴力。
日本海の荒波が崖を打つ。遠目から一通り楽しんだら、断崖絶壁の恐怖を体感しにいよいよ足を踏み入れる。
スリルを求めて。
本当に曇天が似合う場所だ。
釣りを楽しむ猛者。
「迫力」という言葉が似合う場所だった。
ハイチーズ!
自殺の名所としても広く知られている東尋坊。確かに柵や仕切りが全くないので、落下したら簡単に死ぬんだろうなあと思いました。安全で履き慣れた靴を履いていきましょう。
PM 0:30 食事処 田島
スリリングな東尋坊を後に、北陸の絶品海鮮丼を求めて「食事処 田島」へ。
質素な暖簾。
向かいには直営の魚問屋が。この時期には蟹がたくさん獲れるそうだが、明日の夜まで我慢。今回は海の幸を総なめしてみせる。
歴代の美味い海鮮丼ランキング、更新だ。堂々の第一位。特にブリが最高だった、厚切りで歯応えがあって食感まで美味しい。30分ほど並んだが待った甲斐があった。東尋坊から車ですぐなのでセットで訪れるべし。
PM 2:30 越前大仏(清大寺)
お腹を満たしたら大仏を目指す。
参道の重力が物凄い。
仏像がずらりと並ぶ。
早期終息。いつから掲げられてるんだろう。本堂へ入れば遂に越前大仏がその姿を現した。
巨大な仏像、大仏。強い存在感。
今にも動き出しそう。
壁一面には小さな仏像が所狭しと敷き詰められている。これには恐怖すら覚える。
ずらりと。ジオメトリー補正が大変。
一つの仏像が成人男性の身長くらいある。
「おもう壺」には、悪口・批判・愚痴・反省の意を記したお札を入れる。
みやたの心の叫び。ちゃんと「クソが」って書いた。他の3人もそれぞれ愚痴やら反省やら書いていた。
中央下方の女性との比較から越前大仏のただならぬスケール感が伝わるだろう。観光地としての知名度はほとんどないが、足を運ぶ価値は間違いなくある。みやた的には白川郷の次に訪れて良かった場所である。
PM 3:30 福井県立恐竜博物館
福井といえば恐竜だ。日本一の恐竜博物館として名高い「福井県立恐竜博物館」に訪れた。
建築はかなり現代的。かと思えば、エスカレーターの下には古代の世界が広がっている。
ティラノサウルスに目をつけられた。本当に標本やジオラマが充実している。
フクイサウルスの化石も展示されていた。
正直、パッとしない。
もともと何もなかった'''無'''から宇宙が生まれた。元素の祖である水素が核融合を繰り返し炭素や酸素が誕生、さらには分子が形成される。ここまでは大学生の脳みそでも納得がいく。
だが、分子がさらに相互作用し生物になった瞬間が'''奇跡'''なのか'''必然'''なのかが分からない。「無生物→生物」の遷移がクローン技術の面影もない遠い昔に起こったという紛れもない事実が、化学脳のみやたを惑わせる。
調べれば簡単にわかりそうなものだが、あえて調べずに考え続けている。ある意味ロマンチックな現象だな、と感じたりもする。
とまあ、こんなことをみんなで話し合いながら博物館を探索したのである。楽しかった。
地元にある恐竜博物館にも行きたくなった。知識や考え方が深まった今、もう一度展示をみるときっと捉え方も変わるだろう。
PM 6:00 ゲストハウス nagonde
金沢まで移動し、ゲストハウスで休憩。写真なし。コスパ最強の宿なので金沢旅行におすすめ。なにより和室がめちゃくちゃ広い。写真を撮らなかったのが心残り。
PM 7:30 金沢駅・鼓門
金沢のシンボル「鼓門」に会いに行く。
世界で最も美しい駅14駅の1つに数えられる金沢駅。多くの人が記念撮影を楽しんでいた。
PM 8:00 ターバンカレー総本店
マイルドな辛さのどろっとした濃厚なルーととんかつが美味しい「金沢カレー」を食べに、地元密着型のカレーチェーンであるターバンカレーへ訪れた。
カレーの中でもみやたが特に好きなドロドロ系。美味しくいただきました。
このあとお酒を買ってゲストハウスに戻って飲んで就寝。
Day3
AM 9:00 いっぷく横丁
3日目は金沢観光から。金沢おでんを求めていっぷく横丁にやって来た。
ド派手な看板。
これこれ〜!!冬はおでんの季節。
いただきまぁす。
朝から身も心も温まった。店内のガヤガヤとした雰囲気がみやた好み。幸せだった。
AM 9:30 近江町市場
いっぷく横丁から出れば近江町市場が広がる。多彩な旬の食材が集まる金沢市民の台所として親しまれているそう。
活気あふれる市場。
江戸時代からずっと対面販売がなされているらしい。根強い歴史を見ることができる。
蟹ダーーー!!夜に食べる予定。うきうき。
見所が多すぎて右往左往。買い物せず歩くだけでも十分楽しめた。
AM 10:00 兼六園
加賀藩の栄華を誇る名園といえば兼六園である。みやたにとっては日本三名園最後の砦。
絶景。右手に見える徽軫灯籠(ことじとうろう)はよく見ると左右の脚の長さが違うのだ。
記念撮影の定番スポットでもある。
時雨亭。和の要素が飽和状態。
園内一の名木'''唐崎松'''が格好良すぎる一枚。雪吊りが施された姿はスタイリッシュの極み。
お散歩さん。
瓢池を悠々と泳ぐ鯉に夢中の友人たち。いくつになっても鯉は見ちゃうよね、わかる。
今回は雪化粧をしていない素の兼六園を観光しました。次は紅葉か雪の積もった時に訪れたいと思います。
AM 11:00 箔一 東山店
金箔ソフトが有名な箔一へ。
寒かったため僕は遠慮したが、友人は満足気に食べていた。食べときゃよかったかもなあ。
AM 11:15 ひがし茶屋街
明治期の町家がそのまま保存されているひがし茶屋街に繰り出す。
柳の木と紅殻格子が調和する。
枯れた裏道を歩く。
ひがし茶屋街のメインストリート「二番丁通り」。観光客で賑わっていた。
しずかに灯る。
おじさんもしみじみと。
みんな本気で旅行を楽しんでいる。
川越の蔵造りの街並みもなかなか大したものだが、ひがし茶屋街の格子戸の街並みはそれを超えるほどに立派だった。同ジャンルでも京都の二年坂より好きかも。
AM 11:30 森八 ひがし三番丁店
茶屋街なので素直にティータイム。
友人は抹茶セット。いいねえ。以前、浜離宮恩賜庭園で飲んだっけ。
僕はほうじ茶。お茶は日本の心、死ぬまで飲み続けるんだろうな。ごちそうさまでした。
PM 1:00 千里浜なぎさドライブウェイ
金沢を抜け出し能登半島へ車を走らせる。まず向かったのは千里浜なぎさドライブウェイ。日本で唯一車で走行できる砂浜として有名なこの場所だが……
風が強く荒波のため車両の通行規制にかかってしまった、残念。車を近くに停めて波打ち際まで歩いていく。
いい写真。
次こそ車でサザン聴きながら走ってみせる!そして寒すぎたのですぐに撤退。
PM 1:30 志お食堂
丁度お腹がすいてきた。千里浜なぎさドライブウェイから車ですぐの「志お食堂」にやってきた。地元に根ざした大衆食堂である。
友人が頼んでいたのは石川県名物ハントンライス。オムライスにフライをのせて各店こだわりのソースをかけるのが共通のスタイルだ。
みやたはポークソテーオムライス。食べ応えがあって美味しかった。店内の温かい雰囲気も大好きだ。孤独のグルメに出てきそう。
PM 3:00 和倉温泉 金波荘
穏やかな海景色が広がる七尾湾沿いの温泉地「和倉温泉」にやってきた。温泉といえば山地のイメージがあるかもしれないが、和倉温泉は海を見渡すことができる。
宿泊するのは金波荘。
部屋からの眺め。内湾のため波も穏やかだ。
能登島と能登半島をつなぐ橋。日本海側とは打って変わって爽やかな青空が広がっていた。
いわゆるリゾートホテルなのでビリヤードや卓球で遊び呆けた。学生の体力なめんなよ!
PM 8:00 蟹食べ放題ディナー
これがこの日一番の楽しみだった。
豪華な食卓。蟹の食べ方をみんなで模索しながら無我夢中で食べ続けた。蟹を食べ過ぎて飽きるという経験は初めてだった。本当に贅沢。
食後のテーブル。なっさけないきったない。本当に本当にごちそうさまでした最高でした。
このあと部屋でオンラインゲームで遊び、就寝。
Day4
AM 11:30 雨晴海岸
和倉温泉郷をあとにし、富山県高岡市北部に位置する雨晴海岸(あまはらしかいがん)に訪れた。
源義経が「雨を晴らした」逸話が残る地であることからこの名がつけられたそう。
これが有名な義経岩。晴れて空気が澄んでいると奥に立山連峰を望むことができる。今回は曇りなので微妙だが、これはこれで良い。
力強い一枚。
鳥獣保護区にも指定されているらしい。海鳥がわんさか集っていた。
ボリューミー。かわいい。
JR氷見線の車両が海岸沿いを走る。みんな景色に釘付けだろうな。水切りや石の遠投も盛り上がった。混雑時は避けよう。
PM 1:00 庄川峡湖上遊覧船乗り場
雪景色がとても綺麗だと評判の庄川峡へ訪れたが、想定通り雪は積もっておらず。遊覧船乗り場付近をふらふら散策。
水も綺麗。またいつか。
PM 2:00 すし食いねぇ!高岡南店
港直送で寿司を堪能できる北陸チェーン「すし食いねぇ!」に入店。
特盛ランチは税抜950円。体感ではかなり安い。新鮮で脂の乗った美味しいお寿司を楽しめる。ごちそうさまでした。
PM 3:00 三井アウトレットパーク北陸小矢部
時間が余ったのでアウトレットでショッピング。みやたは特に欲しいものが見当たらなかったが、友人はニット帽や洋服を買っていた。写真なし!
PM 5:30 スターバックスコーヒー富山環水公園店
スタバファンなら誰もが知っているのが富山環水公園店。なぜかって?
「世界一美しいスタバ」と言われているからである。公園と合わせてライトアップされた様が美しい。
富岩運河に架かる天門橋。綺麗。
シックで高級感のある店内。
大好きな抹茶ラテ。オールミルク、抹茶パウダー増量。最近教えてもらったこのカスタムが一番好きなのだ。濃厚でのどごしがある。
PM 7:00 新高岡駅
旅の終わり。レンタカーを返し、旅の始まりの地でもあった新高岡駅に戻ってきた。
駅弁。みやたは牛すき焼き弁当を選択。目的地の上野までのおよそ3時間、みやたは睡眠とブログ書きをしていました。
以上で備忘録は終了です。長めになってしまいました。
北陸旅行のすべての経路はこんな感じ。
まだまだ行きたいところがたくさんあるので近いうちにまた訪れると思います。特に冬季休業の黒部ダム方面、年末年始休業の金沢21世紀美術館の2箇所はリベンジします!
最後に旅の連れがこの旅のVlogを制作してくれたのでぜひ見てください、驚きのクオリティです。意外と簡単にできるんだそう。
それでは。
Best Selection 150【50-1位】
こんにちは。みやたです。
さて、いよいよ「Best Selection 150」の最終回です。今回は上位50枚をお届けします。前回の記事でも軽く触れましたが、今回紹介する全ての写真は、僕が愛してやまない洗練・厳選された自信作です。ぜひ楽しんでいってください!
それでは50〜1位までをご紹介!カウント〜〜ダウンッッ!!!
50位
この位置に一点置きすることの利点として、全体が構図的にキュッと引き締まり脳に優しい(戸惑いなく鑑賞できる)仕上がりになることが挙げられます。天気にも恵まれて良い写真になりました。
49位
緑色のなかでもマットで色濃い緑色です。僕が1番好きな緑色かもしれません。緑に限らず、深みのある色が大好物です。マットな雰囲気から夏の蒸し暑さも伝わる良い写真です。
48位
海で撮った写真は爽やかかつ鮮やかに表現するべきものだと思っていましたが、場合によっては力強くレタッチするべきときがあります。今回はそういう時で、入道雲を望遠で切り取りダイナミックに仕上げました。
47位
昼間と夕方の「青空」の色は異なっています。夕方の青空は夜が近いため、暗く重く深い色をしています。この写真では夕方の青空と夕焼けを滑らかなグラデーションで表現できました。ここでこの景色を美しいと思った記憶がずっと残っています。
46位
初めて三脚を使って夜景を撮ったときの写真です。すべての要素が大好きです。目に優しい夜景レタッチをするための術を得た、思い出深い一枚でもあります。
45位
ミニマルな写真に対しての憧れが強まっていった頃に撮れたものです。みなさんのなかには「これのどこがいいの?」と内心思った人がいるでしょう。完全さと不完全さを合わせ持ったこの写真は紛れもなく僕の自信作です。
44位
雨上がりの博多、冷えた街と暖かい屋台のそれぞれの温度感を絶妙に表現しており、暖色調整とも寒色調整ともとれる不思議な一枚です。人物がシルエットで写っているのも加点ポイント。ここで一気に外の寒さが伝わります。
43位
波打った稲からは風の音を感じ、爽やかな緑色からは初夏の空気を感じます。静止画を眺めているだけなのに、五感を刺激することでまるでその場にいるかのように思わせてくれる風流な写真です。ちなみにグリーンは写真家の濱田英明さんを参考にしました。
42位
大学の文化祭で展示したお気に入りの写真です。作成したポストカードは本当に多くの方に買ってもらえました。アンバランスな構図が特にお気に入りです。シャドウに乗せた軽いグリーンもこだわりポイントの一つ。気づきました?
41位
京都東福寺はスケールの大きなお寺で、どのように撮ろうか現場で試行錯誤していました。この一枚では、本堂の力強さを秋の紅葉をアクセントに見事に表現できています。新緑の季節に行っても良さそう!行きたい!
40位
船写真の最高傑作です。ジブリ作品のような世界観を演出できました。「川」という地理が雲に覆われた山々に囲まれているが故に生み出されるムードがあります。川の地理要素をすべて写真に詰め込むことができました。
39位
なにが好きって、彼らの表情です。ここまで自然な笑顔を引き出せている写真は珍しく、評価はぐんぐん高くなります。もちろん色調やトーンにも自信はありますが、やはり表情が素晴らしいと思っています。2人の悩殺スマイルが炸裂しています。
38位
42位同様、文化祭で展示した写真です。ストリートを斜角で撮ることで、ネオンサインが所狭しと立ち並ぶ集合感を表現しました。加えて、被写体と他の要素(構図、色調、トーン等)の相性が完璧。お気に入りの夜景用プリセットになりました。
37位
たくさんの素晴らしい要素が詰め込まれた一枚。その中でも一番のお気に入りポイントは奥行き感です。視点が奥に移るにつれ、黄→青→白と色味が移り変わっていきます。旅行を重ねるうちに、自然の美しさの根幹にあるのは色の移ろいであると気づきました。
36位
この光景を目の当たりにしたとき、「最高の一枚になる」と確信しました。銀座という、東京で一番奥行きのある街の特性を活かしたドラマチックなモノクロームです。
35位
風景写真の全要素うち、最も調整次第で個性が発揮されるともいえる2つの色が「青」と「緑」でしょう。この二色の合わせ方に、撮り手の趣向・個性が明らかに出ます。僕はこの写真の青と緑がとても好きなんです。
34位
縦構図の良さが顕著に見て取れる写真です。横構図では写真全体から多くの情報を受け取れるのに対し、縦構図では主被写体が最も大きな情報として入ってきます。存在感の大きな看板を大胆に捉えた写真です。
33位
スナップに写る人数が増えれば増えるほど、写真の潜在的な「日常感」が増します。そして日常感が増すほど写真としてのカッコよさのレベルは落ちていくのが通例ですが、この写真ではその場の特性を活かしてなんともクールに仕上げています。最高の一枚です。
32位
多くの人から好意的な意見をもらうことができた一枚です。みたままつりで撮影される写真の多くは提灯にフォーカスされたものばかりで独創性に欠けすぎていたので、視点を変えて撮りました。遊び心、型にはまらない意識は写真に限らず人生において常に持っていたい考え方です。
31位
お気に入りポイントは二つ。まずは夏の季節感を心置きなく表現できていること。そしてヨットが並んで2艇泳いでいることです。これが1艇であれば順位は大きく陥落します。まさにシチュエーションに恵まれた写真の一つです。
30位
完璧を超えた一枚、とでも言うべきか。写真に「インパクトレベル」的なパラメータがあるとするならば、これはみやた史上最高といえるくらい衝撃的な写真でしょう。いまだにこれを自分が撮ったとは思えません。素晴らしい。
29位
ただ銀座の和光を大胆に捉えているだけの写真ではありません。下層に走る車やタクシーも画角に入れることで、銀座の街における和光の存在感・規模感が強く伝わってきます。この「ボス感」が恐怖でもあり最高に格好良くもあります。
28位
もともとイルミネーションを撮るのは苦手でしたが、この日は覚醒していました。小雨が降っていたということもあり、歩道までも青く輝いているのがすごく綺麗です。ストーリー性にも満ち溢れたロマンチックな写真になりました。
27位
こちらも色々な方に褒めていただいた写真です。一瞬を切り取るという表現のなかには、何か動的な行動の余韻があるという意味が含まれていると思います。被写体の彼のもつ赤いジャケットがその余韻を持っており、さらに背景の海との色彩の対比がバッチリなので高順位です。
26位
ノスタルジーな枯れた暖色調整もお気に入りですが、最大の魅力は構図にあります。写真中央の稲が空に向かってビュンと伸びている様が格好良いのです。「自然と」一点に目がいく写真の一つです。
25位
高千穂峡は生粋の絶景スポットであるが故に撮るのが非常に難しい場所です。事前リサーチでいろいろな作例を見ましたが、余計なことは考えずその場で思った美しい撮り方をした結果、最高の結果を出せました。高千穂峡の奥行きのある地理を最大限に生かした写真です。
24位
あなたはここまで美しい風景写真を撮れますか(ドヤ顔)。青山霊園という比較的マイナーなお花見スポットで最高の情景に出会えました。ちなみにこの日は新元号「令和」が発表された日でした。思い出深いです。
23位
ブレは写真を撮るうえで本来避けるべきものです。ただ、この写真ではそれを作品の美点とすることができています。その場の突き動かされた衝動で撮ったからこそ生まれたブレは、鑑賞者の感情を揺さぶることに繋がったりもします。僕は完全に虜になっています。
22位
上位になるにつれ動性・瞬間性を持った写真が増えてきますが、この写真はその真逆です。建築物のみにフォーカスした、圧倒的に「静」の性質を持つ写真です。力強く厳かな空気感、深みのある色彩、端の切れた大胆な構図のみでのし上がった「超実力派」な写真です。
21位
撮ること自体を目的とするのは本当はあまり良くないのだと思います。散歩をしているときにたまたま出会った景色にレンズを向けてシャッターを切るのが僕が思う理想的な写真の撮り方です。この写真はそうやって撮れたものです。
20位
ファッションと同様に、写真においても「差し色」の概念は存在します。この写真における差し色は赤であり、明るすぎず鮮やかすぎないよう調整しました。スナップ性も相まってとてもクオリティの高い写真に仕上がったと思います。
19位
最も生活感が溢れてる乗り物こそが「郵便車」です。奈良井宿の古風な街並みと郵便車が見事に溶け合った一枚になっています。光の三原色が良い塩梅で全て含まれていることからも色彩の相性も抜群といえるでしょう。ドラマのワンシーンのような情景でした。
18位
情報量が多く散らかっている、と捉える方もいるでしょうが、すべての被写体が1:1のアスペクトに綺麗に収まっていることに僕は美しさを感じます。色々な部分で斜線的なジオメトリーを見出すことができるのが肝です。「知的」な写真があるとすれば、こういうものなのかも。
17位
被写体に物凄く接近しました。普段紫陽花をみる視点とは違う角度で楽しむことができます。花を含めた植物は全て生きています。そこに美しさを見出すというのは、あっちとしても嬉しいでしょうね。ただのロマンチックな雑談でした。
16位
僕のノートパソコンの壁紙にもなっている写真です。友人たちが楽しそうにしている様子を遠くから俯瞰で見たときに、その情景があまりにも綺麗だったのでシャッターを切りました。奥にかすんで見える島々から瀬戸内海の地理も楽しめる、見応えのある写真になっています。
15位
前ボケ写真の最高傑作です。「鳳凰」というタイトルがぴったりな写真が出来上がりました。肉眼では絶対に見られない景色を作り出せるのも写真の醍醐味のひとつです。世界をただ写すだけでは面白くないというのが僕の一つの考え方です。要は、遊び心。
14位
まるでフォトスタジオで撮ったかのような一枚がランクイン。実際には美術館で撮った写真です。この写真の何が好きかといえば余白の活用法。写真に限らずデザイン全般では余白の使い方次第で見え方が大きく変わります。視線と余白が上手く噛み合っている気持ちの良い写真です。
13位
僕が好きな一点置きの位置よりさらに下に被写体を配置しました。これは夕空を縦に大きく見せるためです。邪魔なものが何ひとつない、ゆっくり時間が流れているような当時の感覚がよみがえってきます。一時はスマホの待ち受けにしていました。
12位
超上位だからといって絶景ばかりがランクインするわけではありません。この写真は友人の別荘宅で撮ったもので、特に構図的な要素がたまらなく好きなのです。部屋の隅に対する角度、主被写体であるフライパンの位置など。暖色調整による温かみのある空気感も表現できました。
11位
小樽運河で撮った一枚。この写真のすべてが好きです。建築物を平面で抜きとると、この写真のような面白味が出てきます。昼下がりの賑やかで爽やかな空気感が伝わってくる良い写真です。マットでもあるのにどこか爽やかな緑色も好きです。
さて、いよいよTOP10までやってきました。好きすぎるが故にずっと見ていられるような写真たちです。さあ、1位はどんな写真でしょうか。一気にみていきましょう!
10位
第10位は東京を照らす夕陽の写真です。雲の隙間から放射状に差し込む日光を「光芒」といいますが、それをバッチリ捉えています。陽を浴びた建物による一直線の照り返しが特にお気に入り。東京で出会った景色のなかでも最も感動しました。
9位
セルフィーではダントツ首位の写真です。カーブミラーに向かってカメラを構えるといった発想はありきたりですが、それを超えてくる僕のポテンシャルを感じました。自画自賛も甚だしいですが、ポーズがイケイケです。淡さのある色調もタイプなので超高評価になりました。
8位
迫力ある虎の写真が第8位にランクイン。光と写真は切っても切れない関係にあります。撮影時には光が虎の目元に差した瞬間を狙いました。高順位の理由は至って簡単で、めちゃくちゃ格好良いから、に尽きます。縦構図の良さが最大限に発揮され、命の迫力が物凄いです。
7位
阿蘇の大地の「デカさ」を伝えるためには、人物を取り入れることが最も効果的でしょう。阿蘇の景色は本当に忘れられません。写真もたくさん撮りましたが、しっかりと目に焼き付けてきました。日本にこんな雄大な自然があるのかと戸惑うくらい素晴らしい景色でした。
6位
今まで数々の「夏っぽい写真」を撮ってきましたが、最も夏らしさが滲み出ている写真がこちらです。隅から隅まで夏の色をしています。今回は上高地の横に広がる風景を収めたかったので、敢えて横構図で撮りました。いやあ本当に大好きな写真です。
5位
僕が撮影してきたなかで最も「優しい」写真がこちらです。人によって感じ方が色々変わってくる写真でもあると思います。早咲きの桜の花が快くミツバチを受け入れているように見えて、とても柔らかく優しい写真だと僕は感じました。
4位
第4位は、特に作品性・アート性が強く表現されているこちらの写真です。格好よくてオシャレで遊び心もあって大好きです。実はこの写真が出来上がるまでに約1年かかりました。というのも、撮影当時は自分の写真趣向も把握できていない状態で編集がままならなかったのです。このアーティーな写真になるまでに5つくらいの編集段階は経ているでしょう。まさに''化けた写真'''です。
3位
動物写真は上位に多くランクインする僕の得意分野ですが、この写真はなかでも1番です。水面に揺らめく白鳥が本当にカッコいい。全面を黒つぶしをすることで背景を敢えて映さず、非日常的な写真に仕上がりました。自分で言うのもアレですが、広告に使われていてもおかしくないクオリティだと思っています。第3位に相応しい一枚です。
2位
第2位は空港の展望台から撮った奇跡の一枚です。空港の滑走路付近は「水平な建築物」だといえるほど、ジオメトリックな写真を撮るにはうってつけの場所です。そこに被写体となるおじさんの遊び心、撮り手である僕の遊び心も加わった、クールでお洒落な写真になりました。見るだけで幸せになれます。
1位
はい、ぶっちぎりの一位です。これを超える写真を撮るのは非常に難しいと思います。僕が写真に求めるすべての要素において完璧を超越しているのです(語彙力)。第150位からここまで見てくださった皆さんなら、僕が写真に求めるものが何か、感覚的になんとなく分かっているかなと思います。構図と色調、被写体と位置、ストーリー性と遊び心、シチュエーションと瞬間性。全てにおいて限界突破しています。
さて、いかがだったでしょうか。「おれはこっちの方が好きだな」「これ別にいい写真ではなくない?」と何度も何度も思ったでしょう。それでこそ芸術です。'''まともな評価'''が明確には存在しないのが芸術の美しさに一役買っていると思います。
そして写真と同じ「芸術」の部屋員には「漫才」があり、その頂上決戦こそがM-1グランプリです。12月20日に決勝戦が行われます。写真と並ぶ第二の趣味として、精いっぱい楽しみたいと思います。たのしみぃぃい!!!!
それでは!
Best Selection 150【100-51位】
こんにちは。みやたです。
前回に引き続き、「Best Selection 150」を進めて参ります。今回は100-51位までをお届け。前回よりも一枚一枚のクオリティも思い入れも高まっているので、期待してスクロールしていってくださいね〜!
それでは100〜51位までをご紹介!カウント〜〜ダウンッッ!!!
100位
街角スナップは大好きです。特に東京の街では、直線的(場合によっては曲線的)な要素をふんだんに盛り込むことを意識しています。
99位
その場所で、その時にしか撮れない写真です。白色や黒色がメインとなる写真ではモノクローム調に挑んでみると面白い!
98位
茶色で統一された秋らしい写真です。お気に入りの物だらけなので、そりゃ高評価ですね。秋の夕方の温度感も伝わると思います。
97位
自分で言うのもなんですが、非の打ち所のない写真です。ただ、撮影のタイミングにはとらわれないと判断したのでこの順位止まりになってしまいました。
96位
僕らの生活圏内にいる蜘蛛ですが、最高にカッコよく表現することができました。生き物は正面から見るとすべてシンメトリーなので、「日の丸構図」は外れませんよ。
95位
「人物と自然の調和」の傑作です。空、山、池それぞれの色調も文句なしだと思っています。
94位
ここまでキュートなネコが他所にいるものか。僕の実家に棲む「もやを」です。彼専用のプリセットを制作するくらい、いいモデルです。
93位
海で簡単に撮れる写真ではありますが、時間が止まったような、なんともカオスで不気味な写真に見えてきます。写真の根本概念に沿っているような気がしたので高評価です。
92位
Lightroomで精一杯の工夫を凝らした作品。黒つぶしを敢えてやるのは地道な作業なので、完成したときの達成感と満足感は凄まじかったです。
91位
オレンジのみを残したスナップショットです。銀座の数寄屋橋交差点は東京の撮影スポットでもお気に入りの場所。また行きたい!
90位
奥行き感を最大限に引き出しました。あの「アナタビ」や「瀬戸内ぐらむ」のInstagramでフィーチャーされた、自他共に認める一枚です。
少しブレイク。いいですかみなさん。89位以上は「超自信作」のみになります。僕にとっては我が子のように可愛い写真なので、ぜひじっくりと見つめていってください!!
89位
堂々とした彼岸花を美しくとらえた完全無欠の写真です。ポイントは空の色。青とオレンジのグラデーションが上手すぎました。
88位
風景写真をジオメトリックに。発想の転換と言っては大袈裟ですが、僕の中では新しい試みでした。ドライブ中、遠方の被写体なら積極的に狙います。近いとブレるので諦めます。
87位
Sigma 30mm F1.4 HSM DC Artで撮影。このレンズがあればテーブルフォトでの失敗はあり得ません。今までの人生で最も買って良かったものの一つです。
86位
明度、色調、構図がすべてパーフェクト。この旅をした2人の友人には上位でたくさん登場していただきます。本当に良いモデルです。
85位
雲の「立体感」をうまく引き出せました。ある意味「質感」とも。それは色味や明るさの絶妙な調整があってこそ表現されるものです。
84位
「聖火」というタイトルと合わせて好きな写真。神宮外苑の銀杏並木は、大学在学中に2度訪れるほどのお気に入りスポットです。
83位
どなたか存じ上げませんが、相性120点の傘をさして歩いてくださって、ありがとうございました。最高です。かなりスナッピーな一枚です。
82位
一眼レフではなくコンデジ(Nikon B500)で撮りました。夏らしさを演出するためには、色の彩度を上げ輝度を下げるといった大胆で力強い表現をするのも手です。
81位
船写真の大傑作です。「白」を表現する編集には割と時間がかかりました。40位には船写真の最高傑作がランクイン。お楽しみに!
80位
広角レンズ初下ろしの日に撮った思い出深い写真です。ただ広角で撮れるだけではなくて、グインと奥行き感・伸び感が出るんだなぁとワクワクしました。
79位
写真全体に合うフィルミーな色調はもちろんですが、靡いたコートが絶妙に好きなため高順位になりました。写真で風を表現するのは難しいですがよくできています。
78位
観光名所や撮影スポットとして知られていない隠れ絶景ポイントを見つけるのが、旅の醍醐味の一つですよね。瀬戸内ブルーが美しい一枚です。
77位
宮地嶽神社の本宮にて。写真全体を眺めたときに、清潔感と威圧感が同時に表現されているという珍しい写真です。人物の配置もバランスが良くて大好きです。
76位
「誰が見ても「良い」という写真を見せて」と言われたらこれを見せると思います。自分がこの写真を好きかと言われれば、もっと好きな写真はあるんです。そう、あと、75枚。
75位
ユニバでのスナップ。疲れて座り込んでいたところでたまたま撮れました。ここまで人物的な被写体に接近した写真は珍しいかもしれません。だいたい引きで撮るので。
74位
夕焼け写真のなかでも、空のグラデーションを最も大胆かつ自然に表現できました。それぞれの色としての主張は強く、境界線はぼんやりと、ってことです。
73位
もともと緑色が好きな自分にとって、緑色に囲まれた長野旅行は夢見心地でした。なかでも上高地では良い色を出せたと思います。ちなみにベストテンにも上高地の写真が入ります。
72位
おそらく150枚のうち最も情報量が少なくシンプルな写真です。「写真は引き算」とは的を得た表現だなと思います。少し前まで、スマホのホーム画面としてお世話になっていました。
71位
青や緑のクリームソーダにさくらんぼという赤くキュートな差し色をチョイ乗せしようと提案した人はジーニアスですね。被写体の質感がよく伝わる良い写真です。
70位
何気ない風景をモノクロでシックに仕上げてみました。光を色彩として検知できる人間だからこそ、非日常性や不気味さを感じるモノクロ写真に惹かれるのだと思います。
69位
鳥取砂丘の急勾配で疲弊する三人衆を背後から撮りました。砂丘ならではの魅力を引き出せています。三人それぞれの姿勢や三人衆の位置も文句なしです。あざす。
68位
僕が1番撮影を得意とするロケーションは「海辺」だと思います。特に晴れているときの海辺では、モーゼの如く海を自在に操ってみせますよ。
67位
被写体となる人物によってメッセージ性が変わるのが写真の面白さの一つです。おじさんの位置が子どもだったら写真としての意味合いが全然変わります。
66位
額縁構図という言葉がありますね。その模範例としてこの写真を参考にするといい、と言えるくらいには自信のある写真です。
65位
68位の写真と同じ場所で撮影しました。彼の口から「オラに元気を分けてくれー!」と聞こえてきそう。ユーモアのある写真は、バディの協力があってこそ撮れるので大切な一枚です。
64位
バイト先のプールで撮らせてもらった一枚。赤い針が良い位置にくるまで待ちました。45を挟んで上下非対称にしたのは、僕のこだわりです。
63位
写真で「立体的な曲線」を表現することは至難の技ですが、これは上手くいきました。足跡のうねりを見事に表現。鳥取砂丘ばんざい。
62位
やはり海辺は僕のテリトリー。島国である日本に生まれてきて良かったとつくづく思います。これもまた、ストーリー性が非常に強い写真です。
61位
植物の生命力がひしひしと伝わってきます。彩度も明瞭度も、右に振ることを脳死で「悪」とみなすのは、写真の可能性を潰していることと同じです。力強い被写体には、力強いレタッチを。
60位
国立新美術館では、昼過ぎには光が差し込んできます。白飛びを気にしていた時期もありましたが、発想の逆転をすれば悪くないと思えるようになります。この写真がいい例です。
59位
堂々たる厳島神社の海中鳥居です。鳥居の赤と背景の山々の青の調和的な関係性が好きです。
58位
望遠で切り取った一枚。その場の穏やかな空気感が再現されています。それでいて太宰府天満宮の威厳のある雰囲気も表現できていて素敵です。
57位
想像力を発揮すれば、この写真をもとに幾つもストーリーが展開できそうです。そういった可能性を秘める写真が上位にランクインするのです。
56位
アシンメトリックな建築物を被写体とするときにはそこそこのセンスが要求されますよね。これには僕の図形的センスが凝縮されています。
55位
情報量が多く煩雑に写りがちな東京の街は、直線的な要素をあえて多く取り入れることで全体としてスッキリします。左側のビルは画角に入れなくても写真は成立します。敢えて入れたのには意図があったからです。
54位
人物のスナップでは、だいたい1人〜2人を撮ります。3人以上になると全員の位置要素にまとまりを生むのが難しいのですが、この写真はその点において完璧!大好きです。
53位
自身の写真の上達を実感した一枚です。テーブルフォトには苦手意識がありましたが、この写真を機に自信がつきました。
52位
この写真をレタッチする過程で、やはり扱いが1番難しい色は緑だと思いました。この写真で表現されているようなくすんだ緑は曇りのシチュエーションにぴったりです。使い分けが大切。
51位
夜景として完成された写真です。ただ、フォトグラファーなら誰もが知っている有名な撮影スポットで独創性には欠けているのでこの順位です。眩しい夜景は本当に編集が楽しいです。
以上、100〜51位でした。150〜101位と比べると、写真としてのクオリティはもちろん、僕自身の思い入れやエピソードが強く残っているなあと感じました。みなさんはどんな感想を抱いたでしょうか。
ついに次回は50〜1位をご紹介。僕がテーマ不問の個展をやるならばこの50枚を出展する、というくらい自信があり大好きな50枚です。楽しみに待っていてくださいね〜。
それでは。